「女性の美」の象徴として取り上げられることの多い女性ホルモン、エストロゲン。
「エストロゲンを増やしていつまでも美しさを」なんてよく耳にしますが、多くの女性が悩んでいる体の不調の原因が、実はエストロゲンが過剰になっていることが少なくありません。
むくみ、イライラ、うつ感、頭痛に腹痛、多くの女性が悩むPMS(月経前症候群)もエストロゲンの過剰な状態が大きな原因の一つになっているのです。
特に女性の美と健康にとって欠かせない存在のエストロゲンを敵に回してしまう原因が、今の私たちの暮らしに溢れています。
「症状」だけをとるのではなく、その原因が何かを理解して、内側から本当の健康を作りたいですよね。
今回はこの「エストロゲン過剰症」についてお話ししたいと思います。
エストロゲン過剰症って何?
エストロゲンとプロゲステロン
エストロゲン過剰症とは、体の中のエストロゲンが過剰になってしまうことで、体にさまざまな症状が出てきてしまう状態のこと。
エストロゲンは骨の健康を健康を保ったり、肌や髪の潤いとツヤを維持したりと女性にとっても嬉しい効果を持つホルモンですが、実はこの「エストロゲンが過剰な状態」が多くの体の不調や病気まで引き起こすことにつながってしまうのです。
女性ホルモンと言うと「エストロゲン」がまず思い浮かぶかもしれませんが、もう一つ女性ホルモンとして大切なのがプロゲステロン。
プロゲステロンとエストロゲンが並行して働くことで、月経周期や妊娠の維持などの大切な役割を果たしています。
エストロゲンは増やせばいい、という考えを持った人も多いのですが、この女性ホルモンが健康に働くためには、エストロゲンとプロゲステロンは、バランスを保ちながらお互いの働きが釣り合っていることが大切なんです。
エストロゲンが過剰になるパターン
- エストロゲンの値は変わらないけれど、プロゲステロンが下がり、相対的にエストロゲンが増加(=プロゲステロンに対してエストロゲンが増加)
- プロゲステロンの量は変わらないが、体が過剰にエストロゲンを作り出している
- エストロゲンを過剰に作る一方で、プロゲステロンを十分に分泌していない
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その症状、エストロゲン過剰症の体のサインかも?
- PMS(月経前症候群)
- 体重の増加 (特にお尻、体幹部、太もも)
- 子宮筋腫
- 子宮内膜症
- 月経不順
- 疲労感
- 性欲の減退
- うつ・不安感
- 腹部の膨満感
- 胸が張る
- 気分のムラ
- 頭痛・頭がボーッとする
- 睡眠障害
思い当たる症状ないですか?
ほとんどが、たくさんの女性が「当たり前」だと思って、我慢してしまっている症状なんです。
エストロゲン過剰症を起こす原因
・経口避妊薬
生理不順などに使われることも多いですが、ホルモンのバランスが崩れているところに、さらに人工的なエストロゲンを追加することでこのバランスの乱れを助長してしまいます。
また、人工的にホルモンを体の中に入れることで、自分自身の体がホルモンを正しく分泌することをあきらめてしまうリスクもあります。
・パーソナルケア用品
スキンケア 用品、メイクアップ用品、香水・・・
女性が普段から使う多くの製品に、「環境ホルモン」として問題となる化学物質が入っています。
環境ホルモンは、体のホルモンと似た作用をすることで、私たち自身のホルモンのバランスを崩すと言われています。
口にするものは気にしていても、皮膚につけるものまで気にしていないのう方も多いですが、
良いものも悪いものも含め、皮膚からは多くのものが吸収されるのです。
・人工的な香り
他に環境ホルモンとして、取り上げられるのが「香害」。
ルームフレグランス、柔軟剤、香水、人工的な”アロマオイル”(mなtyらルナエッセンシャルオイルに対して)、清掃用品などの「匂い」。
CMでもモデルさんが一押ししてるようたくさんの商品が、つらいPMSを起こしている一つの要因になっているかもしれないのです。
・プラスチック用品
軽くて便利で、私たちの生活にはプラスチックが欠かせない存在になっていますが、プラスチック中にも環境ホルモンとしての化学物質が使われています。
特に、食品や飲み物の容器を通して口から入るものが問題となっています。
・食品中のエストロゲン
食べるものにホルモンが入っているかも、なんて意識したことありますか?
一般に売られている肉類や乳製品には、その動物の成長やミルクの分泌を促進・コントロールするためにホルモンが使われます。さらに乳製品は、もともとホルモンの量が増えている妊娠中の乳牛のミルクから作られています。
つまり、普段口にする肉類や乳製品を食べることで、人工的に加えられたホルモンやその動物自体のホルモンを無意識に体に取り入れているのです!!
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・肝臓に負担(毒素が増えている)
エストロゲンを始め、その他の性ホルモンやコルチゾール(ストレスホルモン)は肝臓で代謝され、役割を終えたホルモンは分解(「解毒」)されます。
けれど、環境や水に含まれる重金属、加工食品やファストフード中の食品添加物、スキンケア用品中の化学製品、アルコール・・・
身の回りに溢れるこれらの「毒素」を解毒するために、肝臓はフル回転しています。
肝臓の解毒に負担がかかっていることで、肝臓の解毒が万全に回らなくなり、エストロゲン過剰症につながってしまうのです
・腸内環境の乱れ
環境ホルモンを「外から」体に入れることは問題ですが、体内のホルモンを「出す」ことも実は大切。
腸内環境の乱れは、エストロゲン過剰症の大きな原因です。
肝臓で代謝されたホルモンは腸へ分泌され、腸が健康であれば、そのまま便として体の外に出されます。
けれど、腸内環境が悪く便秘が続いていたりすると、代謝されたホルモンがまた吸収され体の血液循環に戻ってしまうのです。
また、腸内の善玉菌は代謝されたホルモンを分解してくれる働きがある一方で、悪玉菌は「女性ホルモン様」の物質を分泌するのがわかっています。
つまり、腸内細菌が乱れていることで女性ホルモンのバランスを崩し、エストロゲン過剰症を起こしてしまうのです。
・過剰な脂肪
エストロゲンは卵巣や副腎以外に脂肪組織でも作られます。脂肪細胞がエストロゲンを作り、そのエストロゲンがさらに脂肪を増やし、さらにエストロゲンを分泌する・・・という悪循環に陥ってしまうのです。
適度な脂肪は、ホルモンの健康のためにもなくてはならないものです。
でも慢性的なストレスが脂肪を増やしたり、脂肪自体ではなく、「過剰な脂肪」をためてしまう原因自体が問題なのです。
そのために、ストレス状態や食べるもの、生活習慣を見直すことが大切なんですね。
・ストレス!!!!
ストレスとエストロゲン過剰症については、別の記事でまた詳しく書きたいと思いますが、ストレスはエストロゲン過剰症につながる最も大きな犯人の一つ。
ストレス反応はもともと、体が「危険から回避」するための、言ってみれば「生存に関わる」反応。
体はストレスに対応することを優先にするので、生殖活動や食べ物の消化といった「あまり重要ではない」ような働きは抑えられてしまいます。
特に影響を助けるのがプロゲステロン。
エストロゲンとプロゲステロンのバランスが大切とお話ししましたが、
ストレスでプロゲステロンの量が下がってしまうと、
エストロゲン自体の絶対量は変わらなくても、相対的に(プロゲステロンの量に対しての)エストロゲンの比率が上がってしまうのです。
残念ながら今の私たちの暮らしは、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れやすい要素に溢れています。
現代社会で「当たり前」になってしまっていることが、ホルモンの代謝に大切な肝臓や腸、そしてコルチゾール(俗にいうストレスホルモン)の働きのバランスを崩してしまうんです。 そのために、エストロゲンが過剰な状態になってしまい、多くの女性がつらい症状に悩んでいるのです。
ホルモンの健康は体の健康。
「この辛さは誰にでもあるから」と諦めていませんか?
ちょっとしたことを改善するだけで、そのつらさから解放されるかもしれないのです。
その対策については、次回お話ししたいと思いますが、
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