腸内菌も作れるビタミンB12は、食品からとるべき?
ビタミンB12はコレステロール値や女性ホルモンの調節、気分を安定させる、貧血を防ぐなど、健康と美容を保つために欠かせないビタミンB群のひとつ。
健康に欠かせないビタミンB12ですが、ほんの一部の植物性食品を除き、動物性の食品にしか含まれていため完全菜食の人は不足しやすいと言われているんですね。
最近は腸活ブームで健康や美容のために腸内環境を意識している人が増えていますが、腸内細菌が「ビタミンB群を作る」を聞いたことありますか?
中には、細菌がビタミンB12を作るから、腸内細菌を整えれば食品中のビタミンB12を気にしなくても不足することはない、という人もいます。
ビタミンB12が不足しないように肉を食べるべきだと言う人がいたり、腸内細が作るから気にしなくていいと言う人がいたり、混乱しちゃいますよね!
私もずっと疑問に思っていた「腸内菌も作れるビタミンB12は、食品からとるべきか」を調べてみました。
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ビタミンB12は女性にとって欠かせない!
ビタミンB12の働き;
- DNAを作るために必要
- 赤血球を作るのに必要
- 有害物質の「解毒」に必要
- 女性ホルモン「エストロゲン 」の正常な代謝に必要
- コレステロール値を正常に保つ
- 脳や神経を健康に保つ
赤血球の産生や脳神経の細胞を健康に保つなど、体中の働きを支えるビタミンB12。
そのため、不足すると
休んでも疲れが取れない、貧血、元気が出ない、落ち込みやすい、物忘れがひどい、筋力が落ちる….
などの不調が起こりやすくなります。
生理で毎月血を失う女性は貧血にならないように、鉄と合わせて注意したい栄養素なんです。
あまり知られていませんが、ビタミンB12は肝臓でのエストロゲン の代謝にも必要なため、不足すると生理痛、月経過多、子宮筋腫、乳がんを起こす原因にもなります。
ビタミンB12は特に女性にとって欠かせない栄養素なんですね。
人間の体ではビタミンB12を作れません。
また、発酵食品など、一部を除いて植物性の食品には含まれていないために、菜食中心の食事だと不足しやすいと言われているのです。
腸内細菌がビタミンB12を作る?!
腸にいる善玉菌は、毒素を排泄、免疫を整える、ホルモンのバランスを保つ働きをするなど、健康と若さを保つために欠かせない存在。
その一部の腸内細菌が、ビタミンB1、B2、B6、B12などのビタミンB群、ビタミンK、葉酸などを作る働きも持っているんです!
今まではビタミンB12は食事からしかとるないと思われていたので、超ビックな発見だったのです。
だから中には(特に乳酸菌やビフィズス菌サプリの会社など)、
「腸内細菌がビタミンB12を作れるから、不足する心配がない」と言い切る人もいるんですが、実際どうなんでしょうか。
気になりますね〜。
腸内細菌が作るB12は食品からもとるべき?
一部の腸内細菌が作るビタミンB12。
しかし!
ビタミンB12を作るこれらの腸内細菌のほとんどは大腸に住んでいます。(肛門に近い腸)
でも、ビタミンB12は小腸からしか吸収されません。(胃に近い腸)
これがどういうことかと言うと、食品中のビタミンB12が小腸で吸収された後に、腸内細菌が大腸でビタミンB12を作り出しても吸収することができないのです。
腸内細菌は小腸でビタミンB12を作らないの?
菜食主義のインド人はビタミンB 12不足が多い
今わかっている中では、2種類の細菌が小腸でもビタミンB12を作るらしいです。
が、そもそも小腸には腸内細菌があまり存在していません。
ちなみに、他の国と比べて小腸細菌が豊富と言われているインド人ですが、ビタミンB12不足の人がとても多いらしいです。
それは宗教上の理由で菜食主義の人が多いから、なんですね。
腸内細菌があなたのビタミンB12を奪う
もう一つ、本来なら細菌が少ないはずの小腸に腸内細菌が以上発生するSIBOという病気があります。
*SIBO; Small Intestine Bacteria Over Growth(小腸内細菌過剰増殖)
SIBOではビタミンB12不足を起こしやすいのですが、それは腸内の細菌がビタミンB12を宿主(あなた)から奪うからなんです!
これは大腸でも同じ。
ビタミンB12は私たち人間にとって大事な栄養素ですが、腸内細菌自身も必要とする栄養なんです。
腸内細菌がビタミンB12を作っていると言っても、それがわたしたちのためというよりかは、彼ら自身のためにB12を作っているんです。
腸内細菌がビタミンB12を作れると言っても、それは「腸の中」で必要とされている分を補うもので、宿主に分けてくれる量には満たないでしょう”(Yale大学微生物学者Godman)
私たちが必要とするビタミンB12を、腸内細菌だけに期待するのはよくなさそうですね。
腸内細菌もビタミンB12を作るために莫大なエネルギーを使うらしいので、私たちが食品からきちんとビタミンB12をとれば、そのエネルギーを免疫のサポートや毒素の排泄など、他のことに温存できます。
ビタミンB12が多い食品
初めに書いた働き以外にも、特に今の暮らしで溢れているストレス、大気の汚染、食品や水の汚染を処理にビタミンB12を大量に消費します。
だから腸内細菌がビタミンB12を作るとしても、善玉菌を増やせばビタミンB12が不足することはないと言い切るのは難しいのでは…と私思います。
ビタミン12は動物性食品、特に魚介類とレバーやハツなどの内臓肉に多く含まれています。
鉄やビタミンAなど、他のビタミンやミネラルにも言えますが、動物性食品の栄養は体が活用しやすい形で効率よくとることができます。
抗生剤・ホルモン剤・ワクチンフリーの肉や平飼いの卵だと、より安心です。
ちなみに、ビタミンB12は発酵の過程で微生物から作られるため、植物性の食品では納豆、テンペ、キムチ、ニュートリショナルイーストからとることができますよ。
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免責事項; この記事は、既存の疾病のない一般の方に向けて、食と健康の知識を広める目的で書かれたものです。私自身の教育、研究そして個人的な経験に基づいた意見を述べたものであり、病気の診断 ・治療あるいは病気の予防を約束するものでは決してありません。
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