拒食症の回復期に過食傾向になる人が多いと聞いたことがあるかもしれません。
それまでは少ないエネルギーで何とかやりくりしていても、体に必要なエネルギーの不足が続けば、それも限界に来てしまいます。
生きるためにエネルギーを不足分を取り返そうという本能で過食が起きるんですね。
だから回復期で食欲が爆発するのは、すごく自然なことなんです。
でも、体重が増えたのに過食が止まらないとかこのまま過食が止まらず体重が増え続けてしまったらどうしよう、、、と不安に思っている人も多いと思います。
食欲が治らないけど大丈夫だろうか、いつになったら過食が止まるんだろうと不安になっている人に読んでいただらと思います。
回復期の過食は治ろうとしている証拠
私の摂食障害克服コーチはよく
Extreme hunger is like a golden ticket to full recovery
(異常な食欲/過食は克服への特急券)
と言います。
上に書いたように、栄養(カロリー)不足状態が続いた後に、異常な食欲が起きて過食に走るのはごく自然な事です。
過食で食べるものと言ったら、ケーキ、クッキー、大福などの甘いものやスナック菓子、揚げ物など、カロリーが高いものが中心ですよね。
それだけ体は、生きるのびるために必死でカロリーを手っ取り早く取ろうとするんです。だから過食を恥ずかしいと思ったり、罪悪感を感じる必要はないんです。
拒食症はカロリー負債(カロリー不足が溜まった状態)で起きると以前書きましたが、過食でエネルギーをたくさん食べる事で効率よくカロリー負債を返済することができるので、回復も早くなるというわけなんです。
だから抑えられないくらいの食欲がやってきたら、治るための絶好のチャンスだと思っていんですよ!
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回復期の過食が止まらない理由
じゃあ、なんで私の過食が止まらないんだろう…と感じていたらこの3つのことをまず、見直してみて!
理由①;制限をしている
“過食時間”以外の時に制限していませんか?
過食が止まらないというクライアントさんからの相談でも多いんです。話を聞いてみると、ほかの食事が圧倒的に足りなかったり、お腹が空いていても「時間じゃないから」と食べなかったり。
「制限をしているから」あるいは「していたから」過食が起きているんです。回復期の過食を落ち着かせるためには、全ての制限をなくすことが大切です!
ちなみに、食べる量を制限していなくても、過食の後に排泄行為(嘔吐、下剤、過剰な運動)をしていたらエネルギー不足を作り出しているので同じことです。
理由②;本当に食べたいものを食べていない
(メンタル制限)
「本当は生クリームたっぷりのショートケーキが食べたいけれど、怖いからプリンにする」など…
①の量の制限だけでなく、食べたい物を食べない“メンタル制限”のために、過食が起きていることもよくあります。
例えば、買っておいたドーナツが食べたいなーと思う。でも後で外食の予定があって食べ過ぎな気がするから、りんごにしておこう・・・
お腹は膨れても、ドーナツを食べたいという欲求はくすぶったままです。それが欲求不満となって残るので、何かを食べ始めた時にそれが引き金となって止まらなくなってしまうのですね。
ドーナツが食べたい時にそれを食べれば済む話が、メンタル制限をするために何十倍返しになって戻ってきちゃう。
理由③;カロリー不足が解消していない
最後は単に、カロリー不足がまだ解消していないというのが理由。
先ほどお話しした通り回復期の過食は、それまで不足していたエネルギーを取り戻そうとするための体の自然な反応なんです。
過食が止まらないのは単に、そのエネルギー負債が解消していないだけかも!
ちなみに、「目標」体重になったとしてもエネルギー負債が解消したとは言い切れません。
その理由は色々あるので別の機会にお話ししますが、体重は治った指標でも健康の指標でもないからです。
これもまた別の時のお話ししますが、回復期で拒食症になる前より体重が増える事がよくあります。これも「飢え」の後によく起こる、体があなたを守るための反応なんですよ。
ここで「絶対に」やめずに続ければ食欲は落ち着いてきますし、オーバーシュートした体重も自然に落ちてくるはずです。
不安だし、嫌だって思うかもしれないけれど、絶対に治す!という目標を思い出して頑張って!
「過食」が起こるメカニズムは複雑で、心理的なことや習慣化することなども考えられます。でも拒食症やその他あらゆる食事制限の後に起こる過食の場合は、この3つが主な理由です。
過食が止まらないんだけど…という人はまずこの3つを見直してみてくださいね。
回復期の過食に思いやりの気持ちを持とう
食べることや体重が増えることに対して、ただでさえ不安や罪悪感と感じてしまうのに、抑えられない食欲が襲ってくると不安でどうしようもなくなってしまうのは当然です。
ただ、運動でカロリーを消費したり、下剤、嘔吐などで代償行為をすることは絶対にしないと約束してください。
克服のための特急券を逃すだけでなく、その代償行為が摂食障害の新しい”習慣”となって抜け出すのがよけい難しくなってしまいます。
しつこいくらいに言いますが、回復期の過食は体があなたの命を守るために起きているんだということを忘れないでください。
過食を危険、とか煩わしい!などと思う代わりに、「今まで栄養をあげなくてごめんね。見捨てずにいてくれてありがとう」と、体への思いやりの気持ちで迎えて欲しいなと思います。
体が栄養で満たされて、食糧不足は過ぎ去ったと安心すれば、過食も必ず治ります。
今まで食べれ来れなかった分、思う存分楽しんでくださいね♡
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免責事項; この記事は摂食障害で悩んでいる方に向けて、知識を広げるタジ目の一般的な情報として書いています。私自身の教育、研究そして個人的な経験に基づいた意見を述べたものであり、病気の診断 ・治療あるいは病気の予防を約束するものではありません。
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